ガジェット 2023/07/4

MNPワンストップ方式、認知度は1割強と低迷。認知拡大と店頭手続きが課題か


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2023年5月にスタートした、MNPワンストップ方式に関する調査結果をMMD研究所が公開しました。MNPワンストップ方式を知っているのは回答者の13.9%にとどまり、認知の拡大が課題となっています。従来のMNP利用経験者のうち約7割が手続きに不満を感じていました。

 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. MNPワンストップ方式を知っていたのは13.9%にとどまる。
2. 従来方式のMNP利用者が感じた不満トップは「MNP予約番号発行が面倒」
3. 乗り換え意向者の約半数が、店頭でのMNPワンストップ契約を希望している。

2023年5月にスタートしたMNPのワンストップ方式

MMD研究所の「MNPワンストップ方式に関する調査」は、18歳~69歳の男女25,000人を対象として、2023年6月8日~6月12日の期間にインターネットで実施しています。アンケート回収サンプルを人口構成比に合わせるためにウエイトバック集計を行っています。
 
MNPワンストップ方式は、既存契約先を解約しMNP予約番号を発行する際に起こる過度な引き止めを防止し、契約者の流動性を高めることを目的として総務省の有識者会議で議論が重ねられ、2023年5月に導入されました
 
ワンストップ方式では、契約者が必要なのは新しい契約先のオンライン手続きのみで、MNP予約番号の発行は不要です。
 
総務省 MNPワンストップ方式
 
そんなMNPワンストップ方式について、「始まったことを知っていた」のは13.9%、「MNPは知っているがワンストップ方式が始まったことを知らなかった」が39.9%、「MNP自体を知らなかった」が46.2%でした。
 
MMD研究所 「MNPワンストップ方式に関する調査」
 

従来のMNP経験者の7割弱が「不満」、最多は「MNP予約番号発行が面倒」

従来方式のMNPでの乗り換え経験者の、67.5%と、7割弱が契約の際に何らかの不満を感じたと回答しています。
 
MMD研究所 「MNPワンストップ方式に関する調査」
 
従来方式のMNPで感じた不満(複数回答可)として、最も多かったのは「MNP予約番号の発行が面倒だった」が48.7%でした。
 
以下「転出手数料・契約事務手数料などがかかった」が39.2%、「契約手続きが長かった」が30.0%、「解約する通信会社の引き止め質問が面倒だった」が25.9%などと続いています。
 
MMD研究所 「MNPワンストップ方式に関する調査」
 

検討している乗り換え先のトップは楽天モバイル

メインで利用している通信サービスからの乗り換えを検討している回答者が利用したい乗り換え方法は「MNPワンストップ方式」が最多で34.2%、「従来のMNP方式」は11.3%にとどまりました。
 
MMD研究所 「MNPワンストップ方式に関する調査」
 
現在利用している通信サービスからの乗り換えを検討しており、MNPワンストップ方式を利用したい回答者が、検討している乗り換え先(複数回答可)として最も多かったのは、「楽天モバイル」で33.7%でした。楽天モバイルは、6月に「Rakuten最強プラン」の提供を開始したばかりです。
 
2位以下は、「ahamo」30.1%、「UQ mobile」24.4%、「Y!mobile」23.1%などと続いています。
 
MMD研究所 「MNPワンストップ方式に関する調査」
 

乗り換え希望者の約半数、店頭でのMNP契約を希望

現在、MNPワンストップ方式はオンライン手続きのみで、店頭では手続きできません。
 
メインで利用している通信サービスからの乗り換えを検討している回答者の約半数にあたる49.6%が、MNPワンストップ方式での乗り換えを店頭でもできることを希望しています(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)。
 
MMD研究所 「MNPワンストップ方式に関する調査」
 
店頭でのMNPワンストップ方式の乗り換えを希望する回答者の75.9%が、店頭でMNPワンストップ方式で契約ができるようになったら店頭で乗り換えたいと回答しています(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)。
 
MMD研究所 「MNPワンストップ方式に関する調査」
 

MNP導入から16年余り、ワンストップ方式の進化に期待

日本でMNPが導入されたのは、初代も発表されていない2006年10月のことですが、16年以上が経過しても、MNPそのものを知らない回答者が半数弱いました。
 
また、MNPワンストップ方式の認知が13.9%と、浸透するにはだいぶ時間がかかりそうです。
 
MNPワンストップ方式には、従来のMNP利用経験者が感じた不満の1位だったMNP予約番号発行も不要で、不満の4位だった解約時の引き止めに遭わなくてよいメリットがあります。
 
しかし、新しい契約先での手続きがオンラインに限られており、店頭で手続きできないのは、新しい契約先の料金プランについて質問したい方にはハードルが高く感じられてしまうようです。
 
店頭でのMNPワンストップ方式導入の場合、強引な勧誘でMNPさせられてしまう懸念が残りますが、契約前に納得のいく説明を受けられるよう利用者保護の仕組みを整備したうえで、対面での手続きも選択肢に入ることが期待されます。

 
 
Source:MMD研究所
Photo:総務省
(hato)

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