ガジェット 2022/07/20

総務省、スマホ販売めぐる問題の提言案を公開。転売ヤー問題は各社の対策見守る構え


総務省「競争ルールの検証に関する報告書 2022(案)概要」
 
総務省は7月19日に「競争ルールの検証に関するWG(第34回)」をオンラインで開催し、新料金プランの普及状態、「転売ヤー」対策などを盛り込んだ「競争ルールの検証に関する報告書 2022(案)」を公開しました。

日本の携帯料金、世界でも中位〜下位へと低下

総務省の「競争ルールの検証に関するWG(ワーキンググループ)」では、2019年5月に成立、10月に施行された改正電気通信事業法の効果や影響を検証することを目的に設置され、2020年2021年にそれぞれ、報告書を発行しています。
 
今回の報告書では、各社が提供する新料金プランの契約者数が4,000万件を突破するなど、日本の携帯電話料金が諸外国と比較しても中位または低位へと引き下げられた一方で、MNOとMVNOの料金が接近し、MVNOの価格優位性は低下している、と指摘しています。
 
総務省「競争ルールの検証に関する報告書 2022(案)概要」
 

スマホ端末市場、10万円以上の販売が増加

スマートフォン端末市場では、2021年度のスマートフォンの売上台数は4%増加、売上高は14%増加しており、1台あたりの平均売上高は約1割増加して65,810円になった、とのデータが紹介されています。
 
価格第別では、中価格帯(4万円以上〜10万円未満)の割合が減り、高価格帯(10万円以上)の割合が増えており、背景には人気端末の価格上昇のほか、端末の大幅値引きが影響していると推定しています。
 
総務省「競争ルールの検証に関する報告書 2022(案)概要」
 

意見公募を経て9月に取りまとめ予定

報告書では、WGで検討を行った主な事項について、提言がまとめられています。今後、パブリックコメントを募集し、9月をめどに最終的な報告書に取りまとめる予定です。
 

1. 通信料金と端末代金の分離:端末価格表示見直しなど提言

WGでは、通信契約と端末販売の分離を定めた改正電気通信事業法に違反する、セット購入を条件とした値引きが確認された事案について検討されました。
 
報告書では、値引き条件を明確にするために、セット購入時と端末のみの購入時について端末価格を表示するなどのルール策定、携帯電話各社による代理店への指導強化や独自の覆面調査などの提言が示されています。

 

2. 端末の対応周波数:MNOによる不当な干渉を禁止へ

MNOが販売する一部の端末が、他のMNOに対応してないため、利用者が他社に乗り換えた際に対応エリアが狭くなるなどの問題については、MNOが端末メーカーに他社の周波数に対応しないことを求める不当な干渉を禁止する、などのガイドラインの制定が提言されています。

 

3. 一部ゼロ円の料金プラン:povo2.0などを検証へ

楽天モバイルの「Rakuten UN- LIMIT VI」(2022年7月から「Rakuten UN- LIMIT VII」に変更)や、povo2.0といった、利用によっては月額ゼロ円で利用できる料金プランについて、MVNOの料金プランの差を縮めることとなり、不当な競争を引き起こす可能性が指摘されました。
 
KDDIなどからの聞き取りも行った同ワーキンググループは、料金プランの形式だけではなく競争への影響度などを踏まえた総合的・客観的な検証が必要、と結論づけています。

 

4.「転売ヤー」対策:各社の対策に委ね、見守る方針

「一括1円」など大幅な値引販売が行われているなどの人気端末を転売目的で購入する、いわゆる転売ヤー」問題についても検討が行われました
 
「転売ヤー」の影響として、本来必要な利用者に端末が行き渡らないほか、飯場代理店スタッフの心理的負担、転売による利益が反社会的勢力の資金源となる可能性、MNPを利用した端末の安値購入のためにMNPの「踏み台」にされるMVNOで短期解約が急増しており事業の妨げとなっているなどの問題が挙げられています。
 
ワーキンググループでは、NTTドコモによる、購入者に端末の外箱に油性ペンで名前を書かせる対策を「一定の効果が見込めると思う」と評価する声もありました。
 
提言としては、大幅な安値販売を今後も継続するのであれば、と前置きした上で、販売を1人1台に制限するなどの「実効性のある転売ヤー対策を検討し、実施することが適当」と、各事業者の工夫に委ね、見守る方針が示されています

 
 
Source:総務省
(hato)

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