スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)大手のQualcommから新型SoCが発表されました。Snapdragon 778Gと名付けられたこのチップは、前世代に比べて最大40%高速化されているとのことです。
Snapdragon 765Gの後継チップ
このSnapdragon 778Gは、人気を博したSnapdragon 765Gの後継チップとして開発されたといわれています。
Snapdragon 765G/778G/888のスペックを比べると以下のようになります。
765G
778G
888
CPU
Cortex A76(@2.4GHz)x1, Cortex A76(@2.2GHz)x1, Cortex A55(@1.80GHz)x6
Cortex A78(@2.4GHz)x1, Cortex A78(@2.20GHz)x3, Cortex A55(@1.90GHz)x4
Cortex X1(@2.84GHz)x1, Cortex A78(@2.42GHz)x3, Cortex A55(@1.80GHz)x4
GPU
Aderno 620
Aderno 642L
Aderno 660
DSP(AI処理)
Hexagon 696(5.5 Tera Operations Per Second(TOPS))
Hexagon 770(12 TOPS)
Hexagon 780(26 TOPS)
ISP(カメラ処理)
Spectra 355×2
Spectra 570Lx3
Spectra 580×3
Wi-Fi
Wi-Fi 6
Wi-Fi 6E
Wi-Fi 6E
製造プロセス
7ナノメートル(nm)
6nm
5nm
Snapdragon 765Gに比べると、CPU/GPUともに最大40%の性能向上が達成されているとのことです。
また、AI処理性能も2倍以上となっており、フラッグシップであるSnapdragon 888の性能に近づいています。
半導体供給不足を考慮してTSMCで製造?
このSnapdragon 778G、以前発表されたSnapdragon 780Gと非常にスペックが似ています。比較すると以下の表のようになります。
778G
780G
CPU
Cortex A78(@2.4GHz)x1, Cortex A78(@2.20GHz)x3, Cortex A55(@1.90GHz)x4
Cortex A78(@2.4GHz)x1, Cortex A78(@2.20GHz)x3, Cortex A55(@1.90GHz)x4
GPU
Aderno 642L
Aderno 642
DSP(AI処理)
Hexagon 770(12 TOPS)
Hexagon 770(12 TOPS)
ISP(カメラ処理)
Spectra 570Lx3
Spectra 570×3
Wi-Fi
Wi-Fi 6E
Wi-Fi 6E
製造プロセス
6nm(TSMC)
5nm(Samsung)
最大の違いは製造プロセスです。780GがSamsungの5nmなのに対して、778GはTSMCの6nmとなっています。
これは、世界的な半導体不足対策のため、同じ論理設計のチップに対して製造委託する半導体メーカーを分散させたのではないかと考えられます。
また、778GのGPUとISPにいずれも「L」がついたものを使用していますが、これは製造プロセスの違いから778Gのほうが低性能のものを使用していると推測されます。
Snapdragon 778Gを搭載したスマートフォンは2021年第2四半期(4月~6月)に登場予定です。
Source:Qualcomm via GSMAreana, androidcentral
(ハウザー) …